ゲノムリード株式会社・口腔常在微生物叢解析センター

大切なお知らせ

2021年8月2日、ゲノムリード株式会社を設立しました。

これまで、谷口歯科医院 口腔常在微生物叢解析センターとしてお受けしていた
次世代シークエンスの受託解析は、今後、新法人で実施することになります。

今後、これまで以上に、ゲノムシーケンスを通じて、ゲノム研究をリードできるように努めてまいります。

今後ともよろしくお願いいたします。  

ホームページは一部、準備中ではありますが、ゲノムリード株式会社の受託案内 をご覧下さい。

  

 

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2Kbp超のPCR増幅断片のシーケンス

サンガー法では手間がかかってしまうような、2Kbpを超えるPCR産物のシーケンスをナノポアでやってみませんか?
超ロングリードシーケンサーであるナノポアを使って、サンガー法に準じたシーケンスが可能です。

※精度の点でサンガー法に劣る可能性がありますので、スクリーニングとしてのご利用をお願いします。

※制限酵素処理とゲル切り出しを行ったフラグメントのシーケンスも可能です。

本サービスのメリット

超ロングリード(10-20Kを一本でシーケンス)

PCRで増幅できる長さであれば、十分にシーケンスできます。
PCRで増幅できるサイズであれば、オペロンやクラスターをまるまるシーケンスすることもできます。
また制限酵素で切り出しを行ったフラグメントもシーケンス可能です。最大で100Kくらいは読めます。

サンガー法の場合、複数回のシーケンスを行い、手作業・目視で配列をつなぎ合わせる必要がありましたが、
ナノポアシーケンサーであれば、一回のシーケンスで全長が得られるのでわずらわしい作業が必要ありません。

※1Kbp以下であれば従来の通り、サンガー法シーケンスがリーズナブルです。

精製やクローニングが不要(コンタミやノンスペもOK)

PCR産物を直接シーケンスできます。非特異的な増幅産物があったり、コンタミがあったとしてもシーケンスデータが得られます。
ゲル抽出、精製やクローニングなど煩雑な作用が不要なため、時間とコストの削減につながります。
また非特異的な増幅産物やコンタミしている配列も得られるため、原因の究明などにも役立ちます。

1-960サンプルのシーケンスが一度に可能!!(タイピングや網羅的解析など)

独自に開発したインデックスプライマーによって、1シーケンスで960以上のサンプルを識別できます。
一つの細胞の複数領域を一度にシーケンスすることができますので、 MALST、HLAタイピング、ガン遺伝子パネルシーケンス、シングルセルなどに応用可能です。
インデックス数はまだまだ増やせますので、ご相談ください。

 

ナノポアはまだ塩基の精度がサンガー法に劣るのが現状です。しかし、何本ものシーケンスを一度に取得し、そのコンセンサス配列を得ることにより、99%程度の精度が得られます。現状のナノポアの品質では100%にはまだ行きません。必要に応じてサンガー法やイルミナ併用をご検討ください。

 

作業の概要と流れ

受け入れる検体

指定のプライマーでPCRを行った増幅断片

あらかじめお使いになりたいプライマーの塩基配列を教えてください。
特殊なアダプター配列を付与したプライマーを合成してお送りいたします。
お客様のもとでPCRを実施し、増幅断片をお送りください。

 

重要!! 基本的には同一の配列からなるDNAをターゲットとしてPCRを行ってください。

複数の配列が含まれているようなサンプルの場合(細菌叢解析など)は、うまくコンセンサス配列を得られない可能性があります。

(例)シングルコロニーの16S全長を読む → ○    細菌叢解析・メタ16S解析→×

制限酵素で切り出しを行ったフラグメント

   平滑末端に処理して精製を行ってください。最大で24plexまで。

 

納品物

  得られた塩基配列と、そこから求めたコンセンサス配列をお送りします。

 

作業の流れ

 0. プライマーの配列を御連絡ください。(増幅可能であることを事前に検証しておいてください、)

 1. アダプターを付与したプライマーを合成してお送りします。

 2. 96wellプレートを用いてPCRを行ってください。(12サンプル以下の場合は、チューブでも可)

 3. 必要に応じて、電気泳動による確認を行ってください。切り出しや精製は不要です。

 4. 厳密にシールして、PCR産物を解析センターに冷凍便でお送りください。

 5. 精製とインデックスの付与、ライブラリーの調整を行います。

 6. ナノポアシーケンサーによるシーケンスを実施します。

 7. 得られたシーケンスデータからコンセンサス配列を取得します。

 8. 生のシーケンスデータおよびコンセンサス配列をお送りします。


取得リード数 

  1サンプルにつき1000リード程度を取得し、コンセンサス配列を取得します。
  ※PCRで増幅が見られない・弱い場合は十分なリードが得られない場合があります。
   また非特異的バンドの方が多い場合は、目的断片のリードが十分に得られない可能性があります。

 

精度はどの程度でしょうか。

ナノポアのリードの正確性は年々向上してはいますが、現状ではまだ92-93%程度です。
そこで、複数のリードをもとにコンセンサスの配列をとることで、98-99%の精度まで高めています。
ただし、ホモポリマーなどは苦手な可能性がありますので、あくまでもスクリーニングとしてお考えください。
またPCRを行いますため、PCRによるエラーが含まれる可能性もありますのでご了承ください。

2Kbp以下でも実施できますか?

はい。実施できます。しかしながら、シーケンスのコストを考えるとサンガー法が有利な可能性もありますので、よくご検討ください。

最長で何Kbpまで対応できますか?

一概に何Kbpまでとは言えませんが、ナノポアであれば100kbp程度のシーケンスは十分に得られます。
しかし、PCR酵素が増幅できる長さの問題があります。現状では、10K-20K程度が目安ではないでしょうか。
PCRを用いずに、制限酵素処理によるゲル抽出断片のシーケンスであれば数十Kのシーケンスも可能だと思われます。

コンタミがあった場合にはどうなりますか?

コンタミしている配列も別のコンセンサス配列として得られます。
ただし、コンタミしている配列と目的配列の違いが僅かな場合は、異なる配列として判別できず、コンセンサス配列に誤りが入る可能性が考えられます。

960インデックスはメタ16S解析には応用できないですか?

メタ16S解析のように複数の菌種のゲノムが混在していると、コンセンサス配列がうまく取得できなくなるため応用はできません。
ただし、生リードのデータのみを取得し、納品することは対応可能です。この場合、ノイズか区別が難しいことをご了承ください。

切り出し・精製をして目的断片だけにしてもよろしいでしょうか。

はい。ゲル切り出しを実施することで、目的バンドだけの配列を得ることができます。

制限酵素で切り出した配列でも大丈夫でしょうか。

PCR-Freeでのシーケンスも可能です。そのため、10Kを超えるサイズでもシーケンス可能です。
切り出した後に平滑末端になるよう処理をお願いいたします。※960plexには対応できません。(プラスミド一個を丸まるシーケンスできます)

注意事項

 

作業には最大限の注意を払って行いますが、使用器具や環境、試薬に由来するコンタミネーションが起こる可能性があります。またナノポアシーケンサー塩基の正確性はサンガー法にはまだかなわないこととノイズが混ざることがあることをご理解ください。