香川県高松市の谷口歯科医院。お口の機能と細菌叢から口と全身の健康にアプローチします。

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羊水は無菌じゃない!細菌叢が早産に関与?

これまで、羊水や胎盤は無菌だというのが常識でありました。しかし、その常識がメタゲノム解析の登場によって大きく変わろうとしています。
実は量は少ないものの様々な細菌が生存する可能性があり、その菌の種類によっては早産などの原因になっているのではと考えられ始めています。

メタゲノム解析について


日経メディカル。2015/3/30  連載: 西村尚子の「サイエンス最先端」


羊水は無菌じゃない!細菌叢が早産に関与? 妊娠とマイクロバイオームとの不思議な関係

近年、妊産婦を対象にした細菌叢(マイクロバイオーム)解析にも注目が集まり、膣内、羊水、胎盤、臍帯血などの細菌叢が調べられている。

羊水
・羊水中にも細菌が存在し、早産などの妊娠中のトラブルに関連する可能性がある。
・早産を起こした妊産婦の羊水中に、培養法では検出できない菌や、イヌやネコなどを宿主としてヒトにも感染する菌など、特定の数種が特に多くみられた。

胎盤
 ・胎盤細菌叢は口腔細菌叢に近い
 ・特定の細菌が子宮内に存在すると、母親の免疫反応を誘発し、子宮収縮、頸管の熟化、前期破水などを促す可能性がある。


・妊婦と妊娠していない女性の膣内細菌叢を比較すると、出産直前に細菌の種類や量が大きく変動する。

妊婦に歯周疾患があると早産になりやすいとは以前から言われていました
しかし早産の人の多くは発熱もなくや培養検査で”陰性”だったため原因が分かりませんでした。
メタゲノム解析の登場によって、今まで分からなかったことが分かり始めようとしています。
さらに研究が進めば、細菌叢の変化を早期に発見し、早産阻止に貢献できるものと考えます。

 

歯科医院で患者さんに羊水や胎盤を調べませんか?ということは出来ませんが、他の医療機関と連携して、羊水や胎盤のメタゲノム解析・メタ16S解析も行えば、もっと色々な事が分かってくると思います。
興味のある医療機関の方からのお問い合わせもお待ちしております。
お口の細菌叢を調べて、リスク評価や的確な予防ができる時代になれば素晴らしいと思います。

 

併せて読みたい参考論文

The Placenta Harbors a Unique Microbiome(2014) 胎盤細菌叢が口腔細菌叢に似ているという内容の論文。
http://stm.sciencemag.org/content/6/237/237ra65.abstract

(口内フローラ)お口の細菌解析 妊娠・出産・育児中のお母さんへ