香川県高松市の谷口歯科医院。お口の機能と細菌叢から口と全身の健康にアプローチします。

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口腔細菌叢(口内フローラ)のメタゲノム解析

谷口歯科医院では、メタゲノム解析による口腔細菌叢(常在菌、微生物叢、口腔フローラ)の把握に力を入れています。
当院では解析結果を歯周病や感染根管の病態把握、治療効果の判断材料の一つにしております。(現状では診断・治療目的では行っていません。)
また妊娠出産予定の方や全身麻酔で手術を予定する患者さんにも情報提供を行っています。

一般の方からの「口内フローラメタゲノム解析」お申し込みはOral Explorerをご覧下さい。
興味のある歯科医師の方は、「MetaDentProject」をご覧ください。

・歯界展望2016年5月号より連載中「口腔細菌叢のメタゲノム解析」
NHKあさいち「口内フローラ特集」(2016年5月9日放送)において細菌叢解析に協力しました。

口腔細菌叢とは(こうくうさいきんそう)

今、腸内細菌叢(腸内フローラ)に大きな注目が集まっています。それと同じくらい複雑な最近の世界がお口の中にも広がっていることをご存じでしょうか?

ヒトの体の腸管や体表には、無数の数の細菌など微生物が生息しています。それぞれの部位で、様々な細菌など微生物が群れをなし存在しています。その微生物の集団を常在細菌叢、常在微生物叢、フローラなどと呼んでいます。腸管細菌叢や口腔細菌叢、皮膚細菌叢など、それぞれの部位に特徴的な細菌叢が形成されています。

・口腔細菌叢は500-700種類の細菌から構成されています。
・細菌叢の構成は人により様々で、部位によっても大きく異なります。
・口腔細菌は虫歯や歯周病の原因となります。
・口腔細菌は、肺炎や動脈硬化、心内膜炎など全身疾患と関連すると言われています。

これら重要な口腔細菌叢ですが、今まで10種類程度の細菌しか検出できず、細菌叢全体を把握することは困難でした。

 

メタゲノム解析とは

メタゲノム解析は、今まで見えなかった細菌叢の世界を切り開く、最先端の研究ツールです。

①唾液や歯周ポケットに存在する全ての細菌からDNAを抽出します。

②そのDNAの配列を丸ごと解読します。次世代シークエンサーの登場で可能になりました。

③得られた遺伝情報をもとにどんな菌がいるのか推定します。

谷口歯科医院では、2014年に世界の歯科医院に先駆け次世代シークエンサーMiSeqを導入し、細菌叢のメタゲノム解析に取り組んでいます。その結果、患者さん一人一人の口腔細菌叢の構成を把握できるようになりました。
解析数は2000検体を超えています。

唾液メタゲノム解析の一例 

メタゲノム解析を行えば、一人一人の唾液にどのような菌がいるのか調べることができます。
この細菌叢に既知の病原菌(虫歯菌や歯周病菌、肺炎の原因菌など)が含まれています。
また、まだ研究もされていない未知なる病原体が潜んでいる可能性が十分にあります。


谷口歯科医院では、感染根管や歯周病の治療の参考に用いています。また、妊娠出産予定の女性・全身麻酔手術の体の方にも口腔細菌叢についての情報を提供しています。
現在、他の歯科医院に通院中の方でも、菌だけ調べてほしい方はお気軽にご相談ください。MetaDentProjectに参加している歯科医院も対応してくださいます。

唾液細菌叢のメタゲノム解析

下のデータは、6人の唾液の細菌叢を比較した物です。細菌構成が全く異なることがよく分かります。

この細菌構成の違いこそが、その人の虫歯や歯周病のなりやすさに関わると考えます。また、全身の健康にも影響を及ぼすと考えられます。

 

親子で細菌叢の解析と比較

お父さん、お母さん、そして子供のお口の中にどんな細菌がいるのか比較することもできます。この家族の場合は、子供は父親に似た細菌叢を持っているようです。

親子で細菌叢を調べよう

親から子供へ虫歯菌がうつるといわれていますが、本当のところはどうなのでしょうか。親から子への口腔細菌の伝播についてもメタゲノム解析でさらに研究が進むと考えられます。

根管細菌叢のメタゲノム解析

歯の根の先に膿の袋ができ、治療に時間がかかることがあります。この膿の袋のなかには様々な細菌が存在しますが、正確には把握できていません。
メタゲノム解析を行いどんな菌がいるのかを調べてみたところ、これまで教科書で習ってきた細菌種とは大きく異なっていました。

細菌叢解析の一例です。人や根管によって様々な細菌が検出されます。もっと複雑な感染を起こしている場合もあります。
この例では大部分がPhocaeicola abscessusという菌で占められていました。聞いたことがない菌なので調べてみたところ、
脳の膿瘍からの検出例がありました。

現時点では菌種が分かっても残念なことに対処法はあまり変わりません。ですが、菌を把握できるようになったことは大きな前進です。存在する菌の情報をもとに新たな病態が解明され、有効な薬物などの検討がなされれば根管治療に大きく役立ちます。

詳しくは「感染根管治療にメタゲノム解析を活かす」へ

歯周ポケットのメタゲノム解析

下のデータは深い歯周ポケットのメタゲノム解析の結果です。見事に数々の嫌気性菌を検出しています。右は文字の大きさで菌の構成を表しています。

Treponema denticola(Td),Phorphiromonas gingivalis(Pg),Tannerela forthisi(Tf)

 

リアルタイムPCRとメタゲノム解析の比較

 

今まで5-6種類しか検出できなかったリアルタイムPCR法と比較して、メタゲノム解析では膨大な量の情報を得られます。
また、リアルタイムPCRではTreponema属であればdenticola菌しか検出できませんでしたが、メタゲノム解析を行えば
その他のTreponema属細菌(socranskiiなど)も検出することができます。